Metaがメタバース撤退を表明。そもそもメタバースってなんなの?さらにメタバースは今まで何をしていたのか?徹底解説

2026年現在、Metaはこれまで聖域とされてきたメタバース部門「Reality Labs」の予算を30%削減し、大規模な人員削減を断行しています。これは単純な「失敗」というよりは、**「無制限の投資フェーズの終焉」と「AI(人工知能)へのリソース大移動」**を意味しています。
かつてマーク・ザッカーバーグが描いた「誰もがVRゴーグルを被って生活する未来」は、今や「現実世界にAIが溶け込む未来」へと形を変えようとしています。
2. そもそも「メタバース」とは何なのか?
メタバース(Metaverse)とは、**「超越(Meta)」と「宇宙(Universe)」**を組み合わせた造語です。
メタバースの定義と4大要素
専門的な視点で見ると、単なるVRゲームではなく、以下の4つの要素が統合された空間を指します。
| 要素 | 内容 |
| 没入性 | VR(仮想現実)技術により、その場にいるような臨場感を得られる。 |
| 社会性 | アバターを通じて、世界中の他者とリアルタイムで交流・共働できる。 |
| 継続性 | ユーザーがログアウトしても、その世界は止まることなく存在し続ける。 |
| 経済性 | 仮想空間内での土地、アイテム、サービスの売買(NFTや独自通貨)が可能。 |
【ぶろぐんの視点】
メタバースは1992年のSF小説『スノウ・クラッシュ』が初出ですが、2021年にMetaが社名を変更したことで、一気にビジネスのメインストリームへと躍り出ました。
3. Metaは今まで何をしていたのか?(2021年〜2026年)
Metaはこの数年間、天文学的な金額を投じてメタバースの覇権を握ろうとしてきました。その歩みは「ハードウェア」と「ソフトウェア」の双方にわたります。
① 圧倒的な投資と赤字の記録
Metaのメタバース部門「Reality Labs」は、2021年以降、**累計700億ドル(約10兆円超)**もの損失を出してきました。これは、短期的な利益よりも次世代のプラットフォーム(スマホに代わる新端末)を自社で握るための「先行投資」でした。
② 主なプロダクトと成果
- Questシリーズ: Meta Quest 2 / 3 / Proをリリースし、VRヘッドセット市場で圧倒的シェア(一時は80%以上)を獲得。
- Horizon Worlds: メタバース版のSNSとして展開しましたが、ユーザー定着に苦戦し、今回の戦略修正の主な対象となりました。
- Ray-Ban Metaスマートグラス: VR(完全没入)からAR(現実拡張)へシフトする過程で、現在最も成功しているハードウェアの一つです。
4. なぜ今、戦略を修正(脱退を示唆)したのか?
Metaが「メタバース第一主義」から後退したのには、3つの明確な理由があります。
- AIの台頭(Generative AI):ChatGPT以降のAIブームにより、投資家は「10年後のメタバース」よりも「今すぐ利益が出るAI」を求めるようになりました。
- ビジネス需要の低迷:VRでの会議サービス(Horizon Workrooms)を終了するなど、法人利用が想定ほど伸びなかったことが挙げられます。
- ハードウェアの限界:依然としてヘッドセットは重く、長時間の装着が一般消費者に受け入れられにくいという壁にぶつかりました。
投資のシフト比率(イメージ)
Markdown
【2022年】 メタバース 80% : AI 20%
↓
【2026年】 メタバース 30% : AI 70% <-- 今ここ
5. 結論:メタバースは「消滅」するのか?
Metaがメタバースから完全に手を引くわけではありません。むしろ、これまでの**「VR(仮想世界に閉じこもる)」形から、「AR/MR(現実世界に情報を重ねる)」**形へと、より現実的な路線へ進化したといえます。
- 今後の注目点: 2027年に向けて開発が進む真のARグラス「Orion」と、Metaの強力なAI「Llama」がどう融合するか。
Metaの「脱退」は、メタバースが熱狂のフェーズを終え、地に足の着いた**「実用フェーズ」**に入った証拠とも言えるでしょう。


